
音部さんは稀有なマーケターですが、その音部さんのad:techセッションを、SmartNewsのスガケンさんが自身のFacebookにUPしておられる。
時間がある人はぜひぜひ見てほしいのですが、尺が30分と長いので、僕が印象に残ったところをざっくり書き起こします。🙋
セッション内容 📝
情報が劇的に氾濫してきた
情報が劇的に氾濫してきました。どうでもいい情報が増えた。その結果、忘れやすくなった。検索してもほしい情報が見つからなくなった。フェイクニュース、という言葉も生まれました。
良い情報にアクセスするのが難しくなり、探すのに時間がかかるようになってきました。
AIDMAやAISAS、というフレームワークがありますが、Attentionから始まらないことも多いのでは?。興味のないものにAttenntionは持てないと思います。
広告は、ブランド想起や、サイト・店舗への誘導、刈り取りを目的として使われていますが、それが機能していない広告も増えてきました。
ブランドのメディア化
資生堂の"MAQuillAGE"ブランドについて。"MAQuillAGE"とは、フランス語で「化粧」の意味だが、資生堂は"MAQuillAGE"ブランドに、「もっときれいになるための冒険をしちゃいなよ」、という意味を与えています。
ブランドとは意味です。ブランドに意味を与えることが、ブランディングです。
メディアのブランド化
メディアも同じ。そのメディアの意味は何?ベネフィットは?と問わなければいけません。
たとえばスマニューは"朝1分で人生が変わる"を掲げています。「朝1分で人生を変えるかもしれないニュースがつまっていますよ」ということ。それがスマニューのブランドです。
ユーザーから見ると、そのメディアに何を期待していいかが分かります。広告主の立場だと、どういうマインドセットのユーザーにリーチできるかがわかります。
包括的なブランド体験を
20%のブランド愛用者が80%の売上をつくると言われています。だから、ブランド愛用者を大切にしていきましょう、エヴァンジェリストになってもらって、周りにお勧めしてもらいましょう。以上は、これまでの考え方。
これから考えていかなければならないこと。
まず、情報が溢れ、すぐに忘れられる時代に、ブランドのメッセージを真摯に聞いてくれるエヴァンジェリストらは、会社にとっての資産と言えるのではないか、というところから出発します。エヴァンジェリストは、同時に聴衆(オーディエンス)でもあるはずです。
彼ら彼女に何ができるか。もう十分使ってもらっているし、周りにお勧めもしてくれている。これ以上、何ができるだろうか。
同じ意味をもつ、別のブランドを使ってもらえるのではないだろうか。
たとえば、車のブランドがあって、刺激的で冒険にみちた人生を提供してくれるブランドだったりします。似たようなメッセージをもつ、例えば航空会社だったり、お酒だったり、ファッションだったりを提供することができるのではないか。
たとえ資本関係がなくても、同じような体験を提供するブランドをつなげることで、一瞬のブランド体験ではなく、人生全体にわたるブランド体験を提供することができる可能性があります。
消費者にとっては、自分の生活にもっともフィットするブランドがセットになっていれば、自分でキュレーションする手間がなくなるため、ベネフィットだと言えると思います。
包括的なブランド体験を提供することが、これから進んでいくのではないでしょうか。
・・・と、動画では話はまだ続きますが、本ブログのまとめは以上になります。👓
ブランドはインデックス(見出し)になりうる
「ブランドとは意味である」という音部さんの説明は、シンプルながらも本質を突いたものだったと思います。
またブランドに意味を付与することは、ユーザーや広告主にもベネフィットがあり、事前に何を期待していいかが分かり、情報の海に溺れなくて済むよね、という指摘には唸りました。ここ、すごく面白くないですか❓
情報が氾濫する時代において、ブランドとは消費者にとってインデックスになるんですね
音部さんの戦略論も読みましたが、そこでは触れられていない、貴重な話だと感じ、知的好奇心が刺激されました。マーケティングは面白い。
ただ、疑問として残るのは、ブランドメッセージを伝え、想起させるための広告は、今の時代に果たして機能するのか、という点でしょうか。ブランドがなければ、氾濫する情報に飲み込まれ、忘れ去られる。しかし、広く伝えるための広告も、最初からその力を失っている。となると、鶏卵の関係となるのではないでしょうか。
最後に
最後に余談ですが、同時視聴者数が少なかった音部さんに、「音部さんを見るためにみんなが集まった、だから視聴者が少ないんだ」とフォロー(?)を入れたスガケンさんは、さすがだと思いました。👏